Numberを読んで

Numberのフィギュアスケートの記事をだいたい読みました。面白かったです。やはり女子シングルに偏ってはいますが、内容も多様な感じ。

選手の中では安藤選手の記事が一番良かったと思います。浅田選手と鈴木選手を担当している宇都宮さんの記事って、私あんまり好きじゃないんですよねぇ。何故だか理由は分析出来ていませんが。
あと、モロゾフコーチの記事も面白かったです。彼の著書「キス・アンド・クライ」も読みたいんだけど、近所の本屋にはなかったし、ネットで注文するか。


しかし、この雑誌で一番注目してしまうのは、後半にある太田由希奈さんの特集でしょう。ジュニアワールド、四大陸で優勝し将来を嘱望されながら、怪我で世界の大舞台に行けないまま競技を引退してしまった選手。彼女の選手としての道を阻んだのが、怪我だけではなかったことをこの特集で知りました。重い内容です。

トップ選手として戦い続けるために必要な犠牲の大きさ、芸術肌の選手が戦い続けることの難しさ、周囲の期待・・・。「よし、これは大きなケガだぞ」という言葉があまりにも悲しいです。

勝手なことを言ってるかもしれないですが、太田さんが今もスケートに関わっていてくれていることが救いです。彼女はアスリートになり切れなかったのかもしれませんが、とても魅力的な選手でした。今でも「トゥーランドット」を使ったプログラムが語られる時、荒川さんと共に太田さんの名前が必ずと言ってよいほど挙がります。他のプログラムも含めて、動画サイトでの視聴数も多いです。
世界選手権やオリンピックで活躍した訳でもない元選手でそういう人は他にはいません。彼女だったら、新しい道をつくることも可能なのではないかと思います。やはり太田さんは期待してしまうスケーターなんですよね。この記事の最後の言葉は私も全くの同感です。

オリンピックに向けての記事が並んでいる中で、この特集を載せたNumberはきっとちゃんとスポーツに向き合った良い雑誌なんだろうな。初めて読みましたけれど。オリンピックに出るどの選手の後ろにも(もちろん出ない選手にも)、大きな犠牲と苦しみがあることを忘れないように、心してオリンピックを待ちたいと思います。